現在、アラブ系競走が行われている競馬場は全て地方競馬場で、以下の通りです。

• 福山（広島県)
• 高知（高知県)
• 荒尾（熊本県）

　このリストに名前が挙がっていない競馬場の中には、残ったわずかなアラブがサラブレッド系競走に出走している所もありますが、新たにアラブが入ってくることはありません。なお、福山はアラブだけで競馬が行われています。

　よく言われるのがスピードが少し遅いという事。しかし、これは見た目では判別つきません。というのも、同じクラスのサラとアラブを比較した場合、タイム的な差はおおむね５秒前後、しかもＡ級のアラブとＣ級のサラを対戦させた場合はアラブの方が速い場合も多々あります。（場合によっては、同格であってもアラブが勝ってしまう事もあります。）これを利用してアラブとサラブレッドの混合戦が組まれています。そんな訳で、ぱっと見は同じように見えます。

　全国交流戦ということになるでしょうが、かつて中央競馬で行われていた「タマツバキ記念」が「全日本タマツバキ記念アラブ大賞典」として、福山競馬場で行われています。全国から自慢のアラブが集まり、白熱した戦いが繰り広げられています。

　補助馬のみで行なわれていた競走で、福山の「園田･益田・福山交流特別」「瀬戸内賞」のように補助馬限定の広域交流戦もありましたが、補助馬全廃に伴い現在は行なわれていません。補助馬については「馬に関するなぜなに」を見てください。

　アラブ系競走を廃止した競馬場、またはアラブの所属頭数があまりにも少なく満足に アラブ系競走を編成できない競馬場では、問答無用で（爆）サラブレッド系競走に出走させ られる事になります。この場合、自条件よりも低いクラスのサラブレッド系競走に出走 させて、ある程度戦いやすくなるように配慮されている競馬場もあります。

　なお、アラブ系競走がある競馬場でも、条件を満たせば（一定額以上の収得賞金やクラス等） サラブレッドのレースに出走できる規定がある場合がありますし、「アラブ・サラ混合」 という条件で組まれている競走もあります。

　それにしても、スピードで優るはずのサラブレッドに挑戦し、善戦する姿は「地方出身馬が中央で活躍」という姿以上に感動をよびます。何と言っても品種の差を越えているのですから。


アラブ, サラ混合重賞・グランドミックス（２０００年２月名古屋）。
外がアラブ・イケノエメラルド、内がサラブレッド・カネミスキャン、勝ったのは外。