アラブステーション

１１月１日

・　名古屋競馬場で行われた「秋草特別」(Ａ級）は、１０月１２日の仲秋特別に続いて、笠松のコウエイエンジェルと地元愛知のドリームボールの対決となりました。今回コウエイエンジェルは１０キロ体を戻し１番人気に支持されましたが、結果はドリームボールがコウエイエンジェルを再び半馬身差で下し、３連勝としました。コウエイエンジェルもいい所まで来るんですが、勝たせてもらえないですねぇ。

１１月２日

・　姫路競馬場で行われたＳ１特別に、５月以来久々にサンバコール（今年の新春賞など重賞４勝）が登場。しかし、久々が影響したか、惜しい２着に終わりました。勝ったのはＳ１中位の常連である７歳馬・アドミラル。ノースパワーが３着でしたが、この馬いい所までは来るんですけど、いい所どまりが続いてますねぇ。サンバコールについては今回は度外視、叩いての次走…白鷺賞には出てくるんでしょうか？出てくるのなら注目ですね。

１１月３日

・　益田競馬場で行われた２歳の特別戦「若駒特別」は、４勝馬のベイビイベイビーに２勝馬らが挑むというレースになりました。が、結果はベイビイベイビーがユノホワイテスに４馬身差をつけて逃げ切り快勝、５勝目をマークしました。ベイビイベイビー、これで当面の敵はユタカユーチャンと見て良いのではないでしょうか。また、秋に入ってやや不振気味のセキト（８月１６日の若駒特別でユタカユーチャンを破っている）は、今回１４キロと大幅減で出走し４着に敗れています。何とか立ち直ってきてくれればよいのですが。

・　福山競馬場でも２歳の特別戦「ニューヒーロー特別」が行なわれ、ホワイトキャンプ、ルパンユイナ、ピアドティジェイといった複勝率パーフェクトの３勝馬が登場しましたが、これらを抑えて、１０頭立ての９番人気だったアヤヒカリが１馬身差で勝ち、連単は万馬券と大きく荒れました。アヤヒカリは日向杯ひまわり賞はしんがり負けでしたが、それ以前は連対率パーフェクと安定した成績でした。勝たれても不思議でないと言えばそうですが、･･････ともかく、混戦模様の福山２歳戦線らしい競走となりました。

１１月４日

・　福山競馬場では、３歳牝馬限定の重賞「福山３歳牝馬特別」が行われました。福山三冠レース２つ目・鞆の浦賞で２着健闘したシュウホウウィークがここに出走。実績ではメンバー中で抜けた存在だけに負けられないところでしたが、何とか人気に応えて優勝を果たしました。ただし、レースは接戦。同じく鞆の浦賞に出走、８着だった元上山のゴージャパン（上山では２歳重賞勝ちがある）をクビ差下しての勝利でした。３歳牝馬チャンピオンの称号を手にしたシュウホウウィーク、この後の全日本ＡＧＰでもがんばってほしいものです。

・　上山２歳トップのレビンマサ、前走初めて古馬と対戦したＢ２戦では２着でしたが、本日行われたＡ３戦では人気に応え、今年６月に園田・楠賞にも出走した３歳馬・ホマレトウカクに半馬身差をつけて勝ちました。一方のホマレトウカクですが楠賞後は長期休養していて、レビンマサの前走、Ｂ２戦が復帰緒戦。これが６着で、今回は２着。叩いて前進したというところでしょうが、レビンマサには結局かなわないと言う事になりますか。

１１月５日

・　福山競馬場で行われた「サンケイスポーツ杯熊ケ峰賞」（Ｂ１）に、元益田のノア（昨年の夏の日本海特別優勝）が登場。益田で今年夏の日本海特別（４着）後の２戦を勝った後で福山に再移籍してきたノアでしたが、前走の移籍緒戦は５着敗退。しかし、今回はスタートが上手く行ったみたいで、ハナを奪ってそのまま逃げ切りました。同厩舎のメカリジョージにクビ差まで詰め寄られたものの、まずまずの結果といえるのではないでしょうか。なお、今回ノアは福山Ｂ１初勝利となりました。徐々に地位を上げてきてますね。

１１月６日

・　上山競馬場では３歳重賞「コスモス賞」が行なわれました。今月２３日の福山・全日本アラブグランプリの代表馬にもなっている当地３歳トップのホマレエリート、ここは福山を前に是非とも勝っておきたいレースでしたが、人気に応えてミスターハヤブサに５馬身差をつけて圧勝しました。ホマレエリートはこれで上山３歳重賞二冠共に制覇した事になります。古馬重賞でも互角の戦いを繰り広げているホマレエリート、力はあるはずですので、後はいかに長距離遠征を克服するかだと思います。

・　同じく上山競馬場で行なわれたＡ１戦は、かかしまつり賞まさかの３着敗退以来ペルターブレーブが出走してきました。他にもライバルのマルハチフレンド、アオイリュウセイ（昨年の３歳王者、日本海記念優勝馬）、エルソパレード（今年の日本海記念２着）など、重賞並みのメンバーが揃った今回、ペルターブレーブは５８キロを背負い、２キロ軽いマルハチフレンドを半馬身下して勝利しました。アオイリュウセイ３着、エルソパレード４着で実力馬がすんなり上位を占めましたが、やはり王者は健在でした。ペルターブレーブ、奥の細道大賞典（今月２０日）ではまた強い競馬を見せてくれる事を期待します。

・　もう１つ上山から。２歳Ａ１戦は、古馬編入されたレビンマサを除いたセカンドグループの争い。メンバー中最多の３勝を挙げているアオイフレンドが人気となり、距離が伸びて良くなった感があるアオイセンジュ、レビンマサに土を付けた事もあるヤマノコナンらがこれに続く人気となりました。しかし、勝ったのは４番人気のワタリハンターでした。ワタリハンターは前走は圧勝でしたが前々走は惨敗と、極端なタイプのようですが、今回は２着のアオイフレンドに５馬身差をつける圧勝で２連勝を決めました。

１１月７日

・　県競馬開催中の新潟競馬場で行なわれたサラのＡ２特別「朝日岳特別」にサラに混じって活躍中のストロングゲイルが登場。エアフライト（９８年新潟皐月賞優勝、一昨年の朱鷺大賞典２着などの実績がある）に４馬身差をつけて、１６００ｍ１分４０秒８のレコードタイムで勝ちました。サラのレースでのレコード勝ちって、イナリトウザイしか思い浮かばないのですが、一体どれくらいぶりの事なんでしょう？今日の新潟はやや重でかなりスピードの出る馬場だったようで、メインレースの統一グレード「朱鷺大賞典」でもレコードが出ています。改修前の新潟１６００ｍで行なわれたアラブ重賞はやや重で１分４１秒～４２秒あたりの時計で決着していたようで、９７年の銀嶺賞ではイチコウワールド（重賞４勝）が１分４０秒３で優勝したりもしていますので、優秀な時計であってもビックリするようなタイムではないとも言えるのですが、とにかく度肝を抜かれたのは間違いありません。タイム、破った相手、着差、いずれを見ても立派なものだと思います。これは、栃木のイーシーキングに続いてサラ重賞制覇も夢ではないかもしれません。（ただし、新潟でのアラブのサラ重賞出走は規定的に可能かどうかがわかりませんので、何とも言えませんが）

１１月８日

・　笠松競馬場で行われたＡ級１０組の競走に６戦５勝２着１回のシンセイボサツが登場。前走長期休養明け緒戦は大幅体重増のためか初めて２着に敗れてしまいましたが、今回は１２キロ体を減らし、前走敗れたキタノガンバに４馬身差をつけて快勝しました。シンセイボサツは今回道中３番手からの競馬だったようで、いままで逃げだけだったので、これは大きな進歩です。これからまた連勝を続けてくれるのでしょうか、楽しみです。

１１月９日

・　姫路競馬場で行われた「よかわさざんか特別」(Ｂ２)に、もし順調に行っていたら今年の三冠を盛り上げたであろう素質馬２頭、６戦無敗のダイキイチバンと７戦５勝のニシキアンディが出走。どんな対決になるかと期待していたのですが、レースは意外な結果に終わりました。先頭から８着までコンマ２秒以内の大接戦（着差は順に、クビ、クビ、頭、クビ、クビ、ハナ、ハナ）となり、勝ったのは人気薄のドリームメイクで単勝式は６６９０円、連勝式は全て万馬券で、馬単に至っては７８９３０円というとんでもない配当が飛び出しました。なお、ダイキイチバンは８着で初めて土が付き、ニシキアンディも先頭から２秒差の１０着という結果に終わりました。ダイキイチバンは８着とは言え、先頭とはほとんど差がないだけに悲観する事もないでしょうが、ニシキアンディは前走７着よりもさらに成績を落としています。こちらは立て直しに少し時間が掛かるかもしれないですね。

１１月１０日

・　金沢競馬場で行なわれた２歳特別戦「ガーネット特別」は混戦の金沢２歳戦線を象徴する結果となりました。２連勝中のチョウヨームサシとオールボーイ、４着以下がない３勝馬・スカイスキーらが人気となりましたが、以上の馬は揃って敗退。レースは４戦目の前走で初勝利を挙げた最低人気のミズホハクリュウと、特別戦で３着が２度続いた３番人気のアローシスターの同着という結果に終わりました。配当が低くなる同着ですが、馬単では１８万馬券も飛び出しており、連勝式は全て万馬券という大荒れの結果になりました。１１月２５日に２歳王者決定戦「アラブフレッシュカップ」を控え、さらに混戦の度を深めているような気がします。

・　福山競馬場で行われた「山陽新聞販売賞」(Ａ２）に鞆の浦賞３着のフジナミスペシャル（今年重賞３勝している３歳の有力馬）が登場。圧倒的１番人気に支持されましたが、６歳馬・コウギョウシャトルにクビ差差しきられ２着という結果でした。フジナミスペシャル自身はＡ２戦は初めてでしたが、やはり古馬の壁は甘くないという事でしょうか。

・　荒尾競馬場で行なわれた「球磨川カップ」（Ａ１）に元佐賀のスマノハピネス（９９年荒尾・九州アラブグランプリ優勝）が登場。当地の誇る快速牝馬・シルバーハヤカゼに２馬身半差をつけて移籍緒戦を勝利で飾りました。このところ佐賀では入着と大敗を繰り返していたスマノハピネスでしたが、今回は昨年の４月以来の勝利となりました。

１１月１１日

・　金沢競馬場で行われた古馬の重賞「石川テレビ杯」は３歳馬２頭、重賞３勝（内、古馬重賞２勝）のダイリンフラワと、金沢唯一の３歳重賞「アラブ大賞典」でダイリンフラワを破り優勝したサクセスフレンドの対決となりました。実績からして、ダイリンフラワが巻き返してくると思われたのですが･･････結果はサクセスフレンドの逃げ切り圧勝。しかもレコードのオマケ付き。昨年イセイチフブキがこのレースでマークしたタイムをコンマ１秒更新しました。サクセスフレンドは４角の時点で後続を突き放し逃げ切り態勢だったようですが、ダイリンフラワは捕えることができず３着に終わっています。２着は前走サクセスフレンドに勝っているダブルシックスでした。今年はダイリンフラワの独壇場だと思っていたのですが、どうやらホーエチャンピオンを加えて３強態勢になりつつあるようです。北國アラブチャンピオンは一筋縄ではいかないレースになりそうです。

・　福山競馬場でも古馬の重賞「福山菊花賞」が行なわれました。連勝街道まっしぐらの牝馬・ドリーミングは今回回避。先月２８日のＡ１戦ではドリーミングの２着だったホマレスターライツ（今年はローゼンホーマ記念を優勝）が１番人気。重賞未勝利ながらＡ１戦線では実に堅実なヨシユキトップ、タイトルホルダーであるミスターカミサマ、パッピーケイオーと人気は続きましたが、優勝したのは５番人気、急遽黒川騎手に乗り代わったセブンアトム、逃げ切りでした。ヨシユキトップが半馬身差で２着、この馬も煮え切らないタイプでしょうか？(笑)。パッピーケイオーが３着で、意外なのはミスターカミサマがしんがり負けだった事。前走６着でちょっと復調してきたのかと思っていただけに残念です。ホマレスターライツは６着、こっちも意外な敗戦でした。人気がホマレスターライツに集中していた事もあってか、枠単は万馬券と荒れています。

・　益田競馬場ではファン投票による選出馬たちによる重賞「鴨島特別」が行なわれました。ニホンカイプリウスの回避は残念でしたが、日本海特別連覇のニホンカイマリノ、Ａ級上位の常連グリーンマスク、イッテンヨカイチ、中津のガーネット特別優勝のサチエノグロリーなど、他の馬もほとんど（８頭中７頭）が重賞ウイナーと豪華な顔ぶれとなりました。ですが、優勝したのはメンバー中唯一の重賞未勝利馬・エスペラントタカシでした。逃げたサチエノグロリーがクビ差交わされ２着、４馬身はなれてイッテンヨカイチが３着でした。エスペラントタカシは確かにＡ級戦ではそこそこ堅実な結果を残しているのですが、やはりこの勝利は鞍上の力によるところも大きいのではないでしょうか。御神本騎手、凄いです。

・　荒尾競馬場では２歳王者決定戦「ヤングチャンピオン」が行なわれました。３連勝中のマルシンランサーと連対率パーフェクトながらここ２戦はマルシンランサーの後塵を拝しつづけているハイセイアポロ、この２頭で固いと思われたのですが、結果は大変な事になりました。前半からガリガリ行き合った人気の２頭はバテたか惨敗。マルシンランサー６着、ハイセイアポロ１０着という結果でした。トライアル５着の１勝馬ユキリンボウが優勝、２着はトライアル３着（いずれもマルシンランサーからはかなり差を付けられています）の１勝馬クニノオーカンで、それぞれ８番人気、９番人気という人気薄だったため、馬単は２００５４０円ととんでもない配当になってしまいました。

・　高知競馬場で行われた「土佐山田町打刃物とやっこねぎ特別」（Ａ級１組）は先月２８日のラヴラヴアラブ特別の再戦。同日最終レースを勝ったサンユウラピートを加えたメンバーとなったこのレースは、順当にというかスマノガッサンが３馬身差で快勝しました。２着ですが今回はアポロスイセイ粘れず４着、チーチーキングが差し届いて２着、マイル戦になって力を発揮したアポロファーストが３着という結果でした。

・　高知第６レースの２歳１組戦は、３勝連対率パーフェクトのマルチタイガーがヒダカシュウホウを半馬身抑え、敗れた前走の雪辱を果たしました。とりあえず、銀の鞍賞までこの２頭が２歳戦線を引っ張っていきそうですね。ヒダカシュウホウにトップが替わってしまうだろうと思ったのですが、マルチタイガーもがんばりますね。

・　笠松競馬場で行われた２歳１組の特別は、先行したココロノイズミ、ハマミフレンド、クイックダンサーの３頭を、トキワノイチローがまとめて差し切りました。前走の敗戦は残念でしたが、元々非凡なスピードを持っている馬なのでこれくらいの芸当はしてもおかしくはないでしょう。差し切り勝ちというのは将来に向けて心強いですね。ハマミフレンドがクビ差で２着、ジュニアグローリまでは強かったココロノイズミは今回も７着惨敗で、距離延長がモロにマイナスになっている感じです。

１１月１２日

・　笠松競馬場で行われた古馬の準重賞「アラブ銀杯」は愛知のトップクラス２頭、ブラウンダンディとマリンレオの対決となりました。レースは最終コーナーをブラウンダンディ、マリンレオ２頭併走で周り、２頭の競り合いに成るかと思われましたが、マリンレオがブラウンダンディを突き放しタイレコード（１８００ｍ・１分５５秒６）で１着。ブラウンダンディは最後追い込んできたショウリイットーに交わされ３着でした。それにしても、今日は良馬場だったのですが、それでこれだけの時計を出すとは、マリンレオ恐るべしです。

１１月１３日

・　門別競馬場で行われた２歳特別「冬木立特別」は４頭横並びの大接戦。３番人気のアイアイフリージアが頭差で勝ちました。２着はウインドヨシツネ（金沢で一時代を築いた名馬）の全妹・ヨクミテハシレ。ただ１勝した後の成績が今ひとつのため、今日は７頭中６番人気と人気を落としていました。そのため少頭数のレースにも関わらず枠複は万馬券となりました。アイアイフリージアは今回４戦目と道営の２歳としてはまだキャリアの浅い馬。デビュー戦２着、２戦目で初勝利の後、前走は大敗しましたが、２歳というのは大敗しても一変する事がありますからね、勝たれても驚けないところがあります。なお３着にはクビ差でヤタノルーキー･･････どうしても突き抜けられない(^^;

１１月１４日

・　名古屋競馬場では３歳の重賞「帝冠賞」が行なわれ、Ａ級１組戦でも好走している元兵庫のボールドヒリュウが人気となりました。レースは、ボールドヒリュウが逃げたサマーバースの直後につけて、４コーナーではこの２頭が後続を突き放し、併走状態で直線へ。粘ろうとするサマーバースをやや遊びながらもボールドヒリュウがきっちり捕えて優勝。自身はもちろん、オカノヒリュウ産駒全体でも初めてとなる重賞制覇を果たしました。このレースは見てきましたので、後日「レースレポート」でお伝えします。

・　姫路競馬場で行われた古馬の重賞「白鷺賞」は、園田金盃でサラに完勝し向かうところ敵なしの感があるワシュウジョージが、摂津盃と同じ６２キロを背負い登場。しかし、今回は５９キロのハッコーディオスをクビ差捕らえる事ができず２着。ハッコーディオスは２歳時の市川賞以来２度目の重賞制覇を成し遂げました。１度目に続いて２度目も姫路とは、ハッコーディオスは姫路競馬場と相性が良いのでしょうか？一方、約半年の休養をはさみ、今回は叩き２戦目だったサンバコール（重賞３勝）は５着に終わりました。

・　佐賀競馬場で行われた２歳特別戦「脊振賞」は、メンバー中最多の４勝を挙げ、現在２連勝中のコノミポールスターが人気に応え、２着のアオキノホシに３馬身差をつけて快勝しました。一方、道営で今年最初の新馬戦を勝つなど２勝を挙げているエフラレスがここに登場してきましたが、伸びを欠き５着と敗れました。

１１月１５日

・　門別競馬場では、道営競馬唯一となった古馬重賞「アラブ王冠」が行なわれました。注目は、昨年３着だったイケノエメラルド。今年６月に再転入後はサラとの混合戦、アラブのオープン戦を連勝。前走のサラとの混合戦で３着に敗れ連勝はストップしましたが、同じアラブ同士なら実績上位、もちろん人気にもなりました。レースは３歳のコバツーウイングが逃げ、直後に古豪・コバツーペガサスがつける展開。イケノエメラルドは中団から。向こう正面でコバツーウイングとコバツーペガサスの２頭が後続を１０馬身以上突き放し、そのまま４コーナーを迎えましたが、直線に入って直後にバックで３番手に上がっていたイケノエメラルドがあっという間に前の２頭を捕らえて先頭に立つと、直後に迫ってきた９歳のマサルテンボシをグイと突き放し、見事優勝を果たしました。３着には近走いい脚を良く使うミチノクセンプーが入線。イケノエメラルド、今年の目標を見事果たしました。

・　姫路競馬場では２歳の指定特別「栄駿賞」が行なわれました。１２月に行なわれる重賞「園田２歳優駿」の前哨戦とも言えるこの競走は、７戦６勝２着１回のサンキュウホマレが圧倒的人気に応えて快勝しました。２着には牝馬・スーパーレディ。１勝馬ながら３着以下がなかったグリーンジャンボは初めて３着に敗れ、連対記録が途絶えましたが･･･これは遅かれ早かれこうなる事が予想できましたので、驚く事もないでしょう（笑）。とりあえず、２歳チャンピオンの座へ、サンキュウホマレの視界は良好のようです。

１１月１８日

・　福山競馬場では１２月の２歳全国交流・全日本アラブ２歳優駿へ向けて、地元馬による２歳馬重賞「ヤングチャンピオン」が行なわれました。人気を集めたのは３勝４着以下なしと抜群の安定性を誇るホワイトキャンプでしたが、見事人気に応えてダイニアキフジに１馬身差をつけて優勝しました。どうやら中団からの差し切り勝ちだったようで、控える競馬をしているという点は好感が持てますね。全日本２歳アラブ優駿でも地元の筆頭として、がんばってほしいものです。

・　益田競馬場では３歳交流戦「益田霜月賞」が行なわれました。元々、高知と佐賀から１頭ずつ参加するはずでしたが、高知の代表トサノキュータが脚部不安により回避、他地区馬は佐賀のダイメイオーだけとなりました。レースはそのダイメイオーが最後方から追い込んで優勝、２着の地元・テイエムスワローに２馬身差をつけました。なお、このレースは出走条件に上限があるそうで（一定賞金以上稼いでいる馬は出られないんだとか）、益田３歳のトップクラス・デラウェアーは１つ前のＡ級戦に出走して５着という結果でした。

・　佐賀競馬場では１２月の２歳チャンピオン決定戦・はがくれ賞のステップ「すいせん特設」が行なわれましたが、コノミポールスターやスズノウインディといった有力どころの姿は無く､未勝利馬も含めて二線級以下による闘いとなりました。そんな中、キャリア４戦目のサンキューレディーが２着に６馬身差をつけて圧勝しました。一方、デビュー戦を圧勝しここに登場してきた１番人気のロトアピールは４着に敗れました。

・　佐賀からもう一つ。「球磨川特別」(Ａ１Ａ２）は、元兵庫のマノノトップガン（昨年の姫路・白鷺賞優勝）が荒尾のアラブ大賞典優勝のスーパージョージに５馬身差をつけて、九州での初勝利を飾りました。ようやく力を発揮した、といったところでしょうか。

１１月１９日

・　福山競馬場で行われた第８レースのＣ２戦に、昨年の道営２歳勢の中でも屈指の存在だったカムロギシンワが登場。同馬は昨年１２月に福山に移籍後２戦した後長期休養に入っていましたが、前走１１月１０日のＣ２戦で復帰。現在５連勝、通算成績９戦７勝３着２回という立派な戦績の持ち主です。今回は前走から１３キロ減、デビュー以来最低体重の４９０キロでの出走となりましたが、早め捲って先頭に立ち、福山３歳牝馬特別６着のワタリエリートに２馬身半差を付けて勝ちました。今からでは全日本アラブグランプリには間に合いませんが、早くＡ級上位まで昇ってきてほしい存在ですね。

１１月２０日

・　上山競馬場では今年のアラブ戦線の総決算「奥の細道大賞典」が行なわれました。注目は３連覇がかかるペルターブレーブ、５８キロを背負っての出走です。他にもマルハチフレンド、ムーンライトブルー、アオイリュウセイなど、上山Ａ１戦線を沸かせた強豪馬たちがこぞって参戦、上山アラブ今年最後の大一番に相応しい豪華メンバーとなりました。レースはラピッドベアーズが引っ張る展開となりましたが、２周目３角で早め先頭に立った昨年の３歳チャンピオン・アオイリュウセイがそのまま後続を抑えきって優勝、２着には今年の日本海記念２着のエルソパレード、人気のペルターブレーブは追い込み届かず３着に敗れました。続いて、仙台七夕まつり賞の覇者ムーンライトブルーが４着、２番人気だったマルハチフレンドは何と１１着と大敗しました。アオイリュウセイは３歳時の日本海記念に続いて、上山の２大アラブ重賞を制覇。今までペルターブレーブには何度も苦汁を飲まされつづけただけに、今回見事打倒しての勝利は格別のものでありましょう。

・　名古屋競馬場で行われた「ノベンバーオープン」(Ａ級１組）は、現在Ａ級１組戦を３連勝と波に乗るドリームボールが人気になりましたが、条件戦２連勝でここに望んだ牝馬・ディアルレーブに１馬身差で敗れました。また、笠松のアラブ銀杯を回避してここに登場したブレーンワークは５着、私の好きな(爆)ヘイセイチェッカーは４着と前走の７着よりはやや前進しました。また、今年の４月以来久々にラディガブライト（昨年の帝冠賞優勝、今年正月の名古屋杯２着）も登場しましたが、振るわず７着と敗れています。

１１月２３日

・　福山競馬場では３歳全国交流重賞「全日本アラブグランプリ」が行なわれました。地元５頭、兵庫２頭、上山、愛知、荒尾から各１頭の１０頭で争われ、一番人気は兵庫代表にしてフクパーク記念・姫山菊花賞の二冠を制したクールテツオー、二番人気地元福山・福山ダービー、鞆の浦賞の二冠を制しているユノワンサイドとオッズの上では「二冠馬対決」となりましたが、レースは少々意外な結末に。差し身上だと思っていたユノワンサイドが逃げる展開となり、一方逃げ先行タイプだと思っていたユノワンサイドのライバル・フジナミスペシャルが好位から前に取り付き最後はユノワンサイドを捕えてゴールイン。ユノワンサイドは半馬身差で２着、離れてクールテツオー、上山のホマレエリートと続きました。フジナミスペシャルも福山で重賞３勝を挙げている実力馬。鞆の浦賞では差を付けられての３着でしたが、今年序盤は何度もユノワンサイドを破っていますから、「勝たれても文句は言えない」馬ではあります。が、単勝は万馬券。連勝式は４桁以内に収まりましたが、同枠に４番人気のホマレエリートがいただけに、もし馬単があったらどうなっただろうかと怖い気がします。
　昨年に続いて銀杯優勝馬が制した全日本アラブグランプリ、この後福山三冠最終戦「アラブ王冠」でのフジナミスペシャルとユノワンサイドの対決がかなり盛り上がりそうですね。

・　金沢競馬場で行われた「エメラルド特別」(Ａ級１組）に、全日本ＡＧＰに出ていれば有力馬の１頭であったはずの３歳牝馬・ダイリンフラワが登場。しかし、またも今回差しが届かず２着。勝ったのは驚異的な勝ち鞍を挙げている新人・吉原騎手が騎乗するサンエスジュニアでした。今回は久々に逃げを打ち、そのままダイリンフラワを寄せ付けずゴールイン。大一番「北國アラブチャンピオン」を前に、ダイリンフラワは今一歩の競馬が続いています。少し不安になってきました。

１１月２４日

・　佐賀競馬場で行われた「マナヅル特別」(Ｂ１Ｂ２）は佐賀３歳トップクラスの対決となり、九州アラブダービー３着で昨年の２歳チャンピオンのハカタカッサイが、九州アラブダービー２着でステップの浮立特設を勝っているホーエイハンターを半馬身下して勝ちました。なお、２着のホーエイハンターの後ろは２秒２の大差が付き、完全にこの２頭のマッチレースだったことが伺えます。なお、重賞「サマーカップ」優勝のオーサカスズメはダービー同様末脚が不発に終わり、７着と敗れています。

１１月２５日

a ・　金沢競馬場では２歳チャンピオン決定戦「アラブフレッシュカップ」（旧：アラブ３歳優駿）が行われました。有力馬がコロッと負けたりして、どうも混沌としていた今年の金沢２歳戦線ですが、今回は固く収まりました。前走こそ６着大敗したものの、それまでは２勝２着１回と好成績だったチョウヨームサシが、１番人気のスカイスキーに３馬身差をつけて優勝。以下、オールボーイ、ミズホハクリュウと２勝馬２頭が続き、結果的に実績馬が上位を占める格好となりました。

・　荒尾競馬場では３歳の重賞「肥後さざんか賞」が行なわれました。当地トップのコウザンシンオーが福山に遠征したため、２番手グループによる争いとなりましたが、荒尾記念４着、九州アラブダービー５着と交流戦でまずまずの成績を挙げているダイメイノボルが後続に８馬身差をつけて圧勝しました。２着は牝馬２頭の争いとなり、クビ差でヤシロガールに軍配が上がりました。スズノオリーブが３着。九州交流の３歳重賞に両方出た上、両方とも入着を果たしているダイメイノボルの力が一枚上だったようですね。

・　福山競馬場で行われた「草戸千軒特別」(Ａ１)は、「今日も」ドリーミングが快勝。ヨシユキトップに１馬身差をつけての勝利でした。３着にはホマレスターライツ、パッピーケイオーは５着でした。ドリーミング、このままの勢いで正月まで突っ走ってほしいものですね。大賞典、出てほしいなぁ･･･

・　「今日も」と言えば、こちらもそんな感じです。高知競馬場で行なわれた、正月の南国王冠高知市長賞のトライアル「山茶花特別」(Ａ級１組)は、現在３連勝と絶好調のスマノガッサンがチーチーキングに２馬身差をつけて勝ち、４連勝としました。アポロスイセイは最近ちょっと調子が今ひとつのようで、今回は４着。スマノガッサン、今年の高知古馬戦線では中心的存在でしたが、なかなか重賞に手が届きません。来年の正月は悲願が達成できるのでしょうか？

・　高知からもう一つ。最終レースのＡ級戦に、兵庫Ｓ１で活躍していたノースガバナーと、金沢で重賞３勝を挙げている古豪・アサカタイショウ、元福山Ａ１のアローパッションが登場。レースはノースガバナーがウェストウインに１馬身差で勝ちましたが、アローパッションは５着、アサカタイショウはしんがり負けと明暗がくっきりと分かれました。

１１月２７日

・　園田競馬場で行われた「東条湖特別」(Ｓ１)に、昨年３月の播磨賞以来約１年１０ヶ月ぶりにノースタイガー（９９年播磨賞、９８年兵庫大賞典優勝）が登場。今回はさすがに久々ということもあってか大差のしんがり負けでしたが、競馬場に戻ってきたという事だけでも評価したいと思います。スピードあふれる逃げでファンを魅了したノースタイガー、９０年代末期に同脚質、同毛色で中央を沸かせたサイレンススズカはもうこの世にいない事を考えると、ノースタイガーえらい！と思うんですよね。さて、このレースを制したのは７月以来のレースだったスカイハイリー、春は連勝を続けてＳ１まで登りつめた後、少し調子を落としていましたが、今日のメンバーは二線級ばかりとは言え２走ぶりの勝利。Ｓ１戦線でのこれからの活躍が期待されます。

・　門別競馬場で行われた「初冬特別」(２歳オープン）は、岩手の名馬・ミスターホンマル（岩手所属馬で初めて全日本アラブ大賞典を制した）の妹にあたるホーエイトップが勝ちました。デビュー戦は６着でしたが、前走で初勝利、そして今回のレースで２連勝。良血馬だけに今後に期待がかかりますね。

１１月２８日

・　門別競馬場では「門別軽種馬生産振興会特別」(オープン)が行なわれました。３歳のフェータルホースが単騎で逃げる展開となりましたが、４角で一気に各馬が前に並びかけ、横一線の中から馬場のまん中を通ってマサルテンボシが一気に抜け出し、後ろに人気のミチノクセンプーを従えてのゴールインでした。マサルテンボシ、もう９歳なのですがまだまだ元気です。

・　笠松競馬場では「東海グローリ」(Ａ級１組)が行なわれ、ケイエスマジックが逃げ切り勝ちを収めました。２着には差し馬ショウリイットー、半馬身差し届きませんでした。このレースには福山から移籍してきたトモシロヒット（昨年の金杯優勝）も出走していましたが、ハナを切れず２番手からの競馬になってしまったのはつらいところ、それでも５着に健闘しました。トモシロヒットというと、個人的に「暴れん坊」ってイメージがあるのですが（全盛期を見ていない事もあるでしょうが）、今回の移籍緒戦でのトモシロヒットの様子が気になるところです。蹴り連発してないと良いのですが（笑)。

・　園田競馬場で行われたＡ１特別は、９戦８勝２着１回の３歳牝馬・ゴールドユイが３歳牡馬シルクセンプーをクビ差退けて７連勝を達成しました。一方、今年福山で瀬戸内賞を制しているエルパシオンは９着という成績でした。ゴールドユイ、今回は差を詰められてしまいましたが、これが今回たまたまのものか、それとも実力なのかは次走を見ない事にはわかりませんね。あと３連勝して１０連勝、達成できるでしょうか？