（パドックでのタカライデン(左)とランダムオーク(右)）
園田競馬・第３９回フクパーク記念
観戦レポート
フクパーク記念は兵庫県競馬で唯一、馬の名を冠した重賞として知られている。このフクパークという馬については、当日の競馬キンキのコラムでプロフィールが紹介されていた。競馬キンキの「アナおもしろや！」（場内実況の吉田勝彦さんのコラム）によると、フクパークは、昭和２５年生まれ、２７年に園田でデビューし、３歳時の成績が２０戦１６勝（１６・３・０・１）、明けて４歳は１４戦全勝とパーフェクトな成績を収めた後、南関東へ移る。ここでも、当時の南関東を席巻していたホウセントという馬と互角の戦いを繰り広げたが、片方が勝つと片方が２着というレースが続くようになり馬券的な妙味がなくなったため、再び関西へと戻ってくる。ただし兵庫ではなく、中央競馬の阪神と京都へ挑戦したのだった｡（当時はアラブの中央競馬出走は可能だったらしい）、中央ではキノピオと名を変えてサラブレッドとの混合戦で５勝したそうである。このフクパークは兵庫県の抽せん馬であったため、抽せん馬限定の重賞として創設されたのが「フクパーク記念」なのだそうである。以来、昨年まで４歳補助馬限定戦だったフクパーク記念だが兵庫県のサラブレッド導入に伴う番組改革により、今年から４歳オープンの重賞となった。名前こそ「フクパーク記念」だが、果たす役割（三冠の第１関門）、距離、時期などから、昨年までの「菊水賞」とほぼ同じと見ていいだろう。ただし、賞金だけは５００万円と元のフクパーク記念から変わりは無いが。
前置きが長くなってしまったが、三冠の第１関門としては少々さびしくなってしまったというのが今年の第１印象である。目下負けなしのハッコーディオスと連対率１００％もハッコーディオスには勝てないでいるタカライデンの一騎打ちが期待されていたが、ハッコーディオスは「リタイア」。トライアルを圧勝し、ハッコーディオス以外には負けられないタカライデンの独壇場となりそうであった。こうなると注目は２着争いだが、これも複勝率１0０％で３連勝中のランダムオークが有力で、トライアル２着のツバサイッセイがこれに続いたが、この３頭までで上位は決まりだろうというのが大方の予想であった｡馬複はタカライデンとランダムオークの組み合わせ、及びタカライデンとツバサイッセイの組み合わせに人気が集中、出走頭数も７頭と少なく、ほとんど馬券的な妙味の無いレースとなりそうであった。
市川賞の時にも思ったのだが、タカライデンは結構見栄えの良い馬である。見栄えだけならハッコーディオスよりも上だと思う。４３０〜４４０キロ台とさほど大きな馬ではないにも関わらず、見た目の体重はそれよりも２０キロほど上乗せしたいほどの立派な体である。この日のタカライデンも相変わらず立派な体をしていた｡特に今回のメンバーでは、パドックでの見栄えの時点で他馬を圧倒していた｡何とか、ランダムオークはいい印象を持てたものの、ツバサイッセイを含めた残りの５頭はパドックの時点ですでに「負けている」と感じていた｡２番のエビスジョンソンは盛んにいななき、きゅう務員さんをてこずらせていた。途中で動かなくなったり、逆に暴れだしたり。とうとう馬っけまで出し始め（後でおさまったが）、なんだかすごいことになっていた｡だがタカライデンは、周囲の喧騒をよそに、気合の入った力強さあふれる姿でパドックを周回しつづけていた｡騎乗命令がかかり、各馬が本馬場へと移動する。なおもエビスジョンソンはいななきつづけていた｡
レースは、シンエイヤマトの逃げで始まった｡ここの所逃げていたタカライデンはスタートで後手を踏み、控える展開。そのタカライデンをぴったりマークするのがツバサイッセイで、末脚勝負のランダムオークは最後方に構える。シンエイヤマトが後続を突き放し、完全な単騎逃げの形のまま正面スタンド前を各馬が通過していった｡向こう正面を過ぎてもリードを保っていたシンエイヤマトの姿に一瞬動揺したが、ここでランダムオークが「発進」。つれてタカライデンも動いて、一気に前のシンエイヤマトを飲み込んでしまった｡ランダムオークの一気のまくりにより、ツバサイッセイはあっという間に交わされて後退、前はタカライデンとランダムオークの一騎打ち状態となり、最後の直線へ。手ごたえはタカライデンの方が優っていたようだったが、ランダムオークがぐんぐん差を詰めてくる。タカライデン、ピンチか！しかし、ランダムオークがクビまで迫ったところでゴールを迎えたのである。タカライデンは楽勝ではなかったもののきっちりと人気に応え、２着もランダムオークで、結局人気どおりでレースは幕を閉じたのだった｡
（おまけ・今回の注目事）
その１、阪急食堂のカレーライス(５６０円)
園田に来るのは、昨年の園田金盃以来４ヶ月ぶりである。久々に阪急食堂でカレーを頼んで、運ばれてきたカレーをみてビックリ。なんと、肉が多くなってる！というか、肉がたっぷり入ってる。前までは入っている牛肉のブロックが１〜２個だったのが、なんと４〜５個に増えていたのだ！たまたま運が良かっただけなのか、それともパワーアップしたのか定かではないが、貧乏人の私にとってこんなにうれしいことは無い。次に来たときには、カレーの肉はどのくらい入っているのだろう、ちょっと楽しみ。
その２、赤木さん、ありがとう。
フクパーク記念優勝のタカライデン、鞍上の赤木騎手は最終レースの騎乗がなかった。という訳で、サインをもらう絶好のチャ〜ンス！オーストラリア帰りの赤木さんに「サインくださ〜い」と声をかけてみたところ、見事サインをしてもらうことに成功！赤木騎手、ご協力ありがとうございました。全日本も期待してますからね｡