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○おまけ 第１０競走「舟山特別」（アラＢ１・Ｂ２特別） このレースは、メインのアラブスプリンターカップの「断念組」レースに近い内容のものであった。本命印を集めたのは、前開催の笠松オールカマー６着、その前までは東海グローリ（オープン特別）を含め三連勝していたイワノヒットキングであった。もうこの馬で間違いないだろうと思っていたのだが、レースを制したのは、前走Ｂ級戦５着でオダジマエース（名古屋杯観戦レポート参照）の弟、セイエイマシンであった。イワノヒットキングは少し離れての２着。なんでじゃ〜（泣）  （舟山特別ゴール前。勝ち馬のセイエイマシンです。） ○第１１競走 「第２５回アラブスプリンターカップ（ＳＰU）」 距離１４００ｍ この日のメインレースである、重賞競走「アラブスプリンターカップ」。今年の笠松競馬でのアラブ系古馬重賞競走はこのレースが最後となり、以後正月のアラブギフ大賞典までは準重賞だけである。また、オープンクラスでの競走で１４００ｍという短距離レースは数が少なく、それだけにこの競走はスピードタイプにとっては重要な目標となる･･･はずである。（自信なし）ただこの競走、過去の傾向を見るとあまりハイレベルな競走とは言い難いのが難点で（たまに強豪がタイトルを奪取しているが）、今年はどうだろうかとメンバーを心配していたのだが、今年はなかなか面白いメンツとなった。 まずは４歳のクラボクモン。条件戦で楽勝を続けている４歳の強豪で、今年の４歳ＳＰTは２つとも２着と惜しい競馬。だが、その実力は明らかに４歳トップクラスである。今の格付けであれば、準メインに出走してもおかしくないのだが、果敢にも古馬に挑んできた。勢いもあり、また時計的にも古馬と遜色ないだけに、私はこの馬を中心視した。オープン古馬との力関係がわからないが、未知の魅力にひかれたと言っていい。次に愛知からの遠征馬ブレーンワーク。ブラウンダンディに続く、愛知古馬のナンバー２的存在である。前走の笠松オールカマーではアラブ最先着を果たし、実績的にはメンバー中トップと言える。ただ、夏はやや苦手としているようであり、また、愛知移籍後１４００ｍは未経験だし、距離的にやや短いのではと思えた。クラボクモンとどちらを中心にするか、非常に悩んだ馬である。続いてはホマレメガミ、７月のひまわり賞は惜しい２着。だが、実力がオープンクラスなのは間違いない。今回は後手を踏まなければ良いのだが。（この馬の詳細は「ひまわり賞観戦レポート」を見てください）後は、マルカシード、そしてトライハートキング。共に今回は体調面で絶好調とは言いがたいのだが、この２頭は競輪で言うところの「ライン」のような関係で、トライハートキングが逃げて、マルカシードがマーク、４角でまくってそのままゴールという戦法でマルカシードは東海グローリを連勝した事がある。前回のこのラインでの成績は２着。直線入ったまでは良かったものの、残り１００あたりでホマレメガミに交わされてのマルカシード２着。でも、ちゃんと成果はあげている。このレースの焦点は「トラハ―マルカ・ライン」の取捨にある、と私を悩ませる一因となったが、結局、体調がどちらもイマイチらしいので、今回はダメだろうと馬券の対象から外してしまった。これが後で後悔の元となるのである･･･。 
（ブレーンワーク） 出走各馬がパドックに姿を現した｡ホマレメガミは優雅な足取りで周回を始めたが、前回に引き続き場内放送に驚く始末。しかも今回のは普段流れるようなものだったので「この程度でビビってるようでは、ちょっと問題」と思わざるを得なかった。その後、何度か立ち上がって驚く仕草を見せていた。今回も実力が発揮できない恐れが出てきた。つづいて、トライハートキング。心なしか７月のひまわり賞よりも毛ヅヤや張りが良くなったような気がする。新聞紙上のコメントも「実力は発揮できる状態」との事、確実にハナだけは切ってくれそうであった。そしてクラボクモン、こちらもキビキビと元気良くパドックを周回していたが、今回はちょっと元気が良過ぎる感じがした。少しうるさく見えたのだが、短距離だけに気合を出すのは良いことと割り切る事にした。決して「イレ込んで」いる訳ではなかったからだ。目を転じて、”出張馬”ブレーンワークを見る事にする。なかなか立派な馬体である。毛ヅヤも悪くない。落ち着いて周回している姿は好感が持てる。やっぱりこちらを中心にするべきだったろうかと、ちょっと後悔する。そしてマルカシード、こちらは全く気合が感じられない「だら〜」とした歩き方。思わず「やる気あんのか！」といいたくなるほど。切ってよかったと安心した。･･･のだが。 馬場入場後、有力各馬は待機所へ行ってしまい、結局メインレースも返し馬があまりない状態となってしまった。暑い時期だからしょうがないのだろうか。そして、場内には重賞ファンファーレが鳴り響き、いよいよスタートを迎える。 スタートして、トライハートキングが案の定ハナを奪う。マルカシードが番手につけて”ライン”を形成。その後ろは５月以来の休養明けのフジノテイオー、そしてクラボクモンが早くも４番手、今日は後ろからではなく中段やや前からの競馬をしている。逆にいつも前づけのブレーンワークはどうした事かクラボクモンよりも後ろにつけて、マークする格好となっている。ホマレメガミはさらに後方、各馬は２コーナーを回る。  （一周目。トライハートキング（３番）の番手に付けるマルカシード（９番）） トライハートキングが順調に逃げ、マルカシードもきっちりマーク。クラボクモンは中段でいつでも前を捕らえる態勢で、ブレーンワークはその後ろ、ホマレメガミはやや位置取りが後ろ過ぎるような気もする。３コーナーから４コーナー、ブレーンワーク、クラボクモンが前を捕らえるべく発進、マルカシードも番手捲り態勢に入り最終コーナー、馬群が横に広がった。その中から抜け出してくるのはマルカシード、ブレーンワーク、クラボクモン。だが、クラボクモンにはいつもの切れが感じられない、ブレーンワークが突き放しているような感じで、マルカシードが懸命に追いかけている、意外にもトライハートキングも粘っている。「ブレーンワーク先頭！」実況からも、ブレーンワークの態勢が圧倒的に有利なのが伝わってくる。ゴール前、鞍上の倉地騎手がスタンドに向けて「ナンバ〜ワ〜ン！」なガッツポーズを取りながら、ブレーンワークは堂々のゴールイン。続いてマルカシード、クラボクモンはわずかに及ばず３着に終わった。愛知アラブ、いやブレーンワーク、恐るべし。  （アラブスプリンターカップ・ゴール。ブレーンワークお見事！） なお、笠松はＳＰTと統一グレードレース以外は客の前での口取りをやらないと以前に書いたが、今回、アラブスプリンターカップは最終レースに組まれていたために表彰式までが省略されてしまった。最終レースが終わるや否や、あっという間にスタンドが無人になってしまう笠松の事情からすれば、この措置はわからなくもないが、重賞としての盛り上がりにひどく欠けるように思う。決して重賞の数は多くないのだから（特にアラブは）、ちゃんと表彰式とできれば口取り撮影をファンの前でやってほしいものである。重賞とは言うものの、ただの特別と変わらない雰囲気（だって、違うのはファンファーレだけなんだもん）の中、「やはり重賞だ」と思わせてくれた、ガッツポーズな倉地騎手には「おめでとう」と共に「ありがとう」という言葉を送りたい。 |