今年の初競馬は名古屋競馬場となった。目的はただ一つ、イケノエメラルドである。結局昨年内は１０月の園田、アラブクイーンカップ以来会うことはできずに終わった。もう一度勝つところを見たいため、というのもあるが、それは表向き。もう一つの目的はイケノエメラルドの「まともな写真を撮る」ためである。１０月の時は気合が入りまくって、結果はとても満足できるものではなく、しかも彼女は２着に終わってしまい、こと写真に関しては散々だったといえる。もちろん、最後に見たのが負けた姿というのも気分が良くない。地元戦ならまず負けないだろうという事で、ずっと機会をうかがっていたのだ。帝冠賞、シルバー争覇、名古屋杯と空振りに終わり（事前に察知できたので、無駄足という自体は避けられたが。）今度こそはの期待をしていたところ、レースの二日前にＮＡＲのホームページに掲載された出馬表でイケノエメラルドの名前を発見。期待に胸膨らませ、名古屋へと向かった。それにしても、インターネット様様である。本来なら、当日駅で中日スポーツを買って確認しなければならない所を、２日も前に家にいながらにして出否を確認できるのだから。本当にありがたいことである。  （パドックでのイケノエメラルド） メインのグランドミックスはアラブＡ級１組（つまりオープン）と、サラブレッドＡ級４･５組との混合レース。昨年までは確かサラブレッドはＢ級だったと思うが、何かパワーアップしているようだ。ただし、新聞の本命はイケノエメラルド一色。サラ相手でも心配なしというものだった。私としても、４組５組ぐらいなら十分勝てる相手だと思っていた。期待通り、先頭でゴールする彼女を見ることができそうだった。それにしても、悪い天気ではなかったが２月の頭という時期柄か、とても寒かった。その寒い中じっとパドックでイケノエメラルドが姿をあらわすのを待つことしばし、ついに彼女が登場してきた。その小柄な馬体は相変わらずであったが、あいにく冬毛がボウボウという有様。べつに能力に影響するわけではないのだが、見栄えはあまり良くない。けれど、歩き方はキビキビしていて、園田金盃のエイランボーイを彷彿とさせた。騎乗命令がかかり、戸部騎手が背に跨ると、途端にツル首になって、気合を表面に出してきた。私の好きなパターンである。ちなみにニホンカイユーノスもこういうタイプであった。（もっとも、パドック周回中はとてものんびりしていたが。）イケノエメラルド以外で目に付いた馬はほとんどいなかったが、４歳の身で果敢にも挑戦してきたケイオーデビル（サラ）は立派な馬体をしていた。中央５００万下で２着に来た実績もあることから、一番怖い相手はこの馬だと思った。  （グランドミックス、ゴール前の攻防） レースは、意外にもアラブ・シャンデリアボーイの逃げで始まった。道中イケノエメラルドは好位４番手を進む。そのすぐそばにはケイオーデビルと最近好調のカネミスキャン（サラ）がつけていた。３コーナーでシャンデリアボーイがつかまり、好位にいた３頭が併走状態となり最終コーナーへ。イケノエメラルドはサラ２頭に挟まれるような形となったが、外のケイオーデビルが伸びを欠く中、内のカネミスキャンとの叩き合いに入った。１５０メートル近くびっしりと競り合い、鼻面をそろえてのゴール。最終４コーナーの様子を見て「たのむからサラなんぞに負けんといてくれー」とつぶやき、ゴール後は「かわしていてくれ」と祈った。ここまで厳しい戦いになるとは予想していなかったが、レースとしては面白いものになったと思う。そして決勝線でのスロー映像で、わずかに外のイケノエメラルドが勝っているように見えた瞬間、ホッと胸をなでおろした。やっぱり彼女は強かった。それがうれしかった。確定後、ようやく彼女が再び本馬場へと姿をあらわした。ウイナーズサークルに入る彼女と戸部騎手に私は精一杯の拍手を送った。その時も気づいていたのだが、改めて後で写真を見ると、イケノエメラルドがやたらこちらを向いている。パドックしかり、口取りの時しかり。カメラがめずらしかったのか。しかし、口取りの時は私以外にも報道関係のカメラマンが何人かいたはず。パドックの時はカメラを下ろしていたとき、通り過ぎた直後に振り返ってこっちを見たりしていた。もしかして、惚れられたとか？（何言ってんだか。）冗談はさておき、この日の競馬新聞にイケノエメラルドの次走が載っていた。なんと、次は佐賀・アラブ大賞典に出走予定という。ホマレスターライツ、エイランボーイぐらいなら、ハロン待ちでもいいと思っていたが、これでは行かざるを得なくなってしまった。資金繰りどうしよう（笑）  （記念撮影。おめでとう、イケノエメラルド） |