レースは２周目に入り、依然としてスイグンが先頭。ブラウンブルドンが落馬した為、３番手にいたニホンカイブルーが２番手に位置していたが、クールフォーチュンが上昇して２番手へ。笠松のヤマノユーノスはこれらの後ろに続いており、サンクリントは２周目２コーナー付近では中団位置で待機していたが、向こう正面に入るといよいよ捲り発進。サンクリントが一気に先頭へと上昇して行った。 （２周目２コーナー。黄色の帽子・５番がサンクリント。まだ後ろ。）  （２周目３コーナー手前、一気に先頭に並びかけたサンクリントだったが。） 先頭に取り付いたサンクリント、しかし先頭のスイグンは交わされなかった。３コーナー、内のスイグンと外のサンクリントの２頭で競り合いとなる。その後ろは離れ、レースは２頭のマッチレースの様相を呈してきた。最終コーナー、前２頭競り合ったまま最後の直線に突入。果たして軍配はどちらに挙がるのか？  （最終４コーナー。内がスイグン、外がサンクリント。果たして？） 直線、なおも粘るスイグンをサンクリントがようやく捕え、先頭に立つ。一方、３番手争いも熾烈。粘る笠松・ヤマノユーノスに、外から懸命に上山・ミルフィーユマリモが追いかける。前はサンクリントが先頭でゴールイン、直後スイグン。そして３着は･･･ぎりぎりミルフィーユマリモがヤマノユーノスを捕えてのゴールイン。「よくがんばった！」と勝った馬より、ミルフィーユマリモを思わず誉めてしまった私であった。  （スイグンを下し、サンクリントが優勝のゴールイン。【画像提供：おさるさん】） サンクリントとスイグン、兵庫と福山での決着とあって、配当的には比較的平穏。スイグン、意外とよく走ったねぇ、などと話していると、着順掲示板に「審」の文字。ああ、ブラウンブルドンが落馬したからね、と思って、最初気にも留めていなかったが、その後何度も審議継続中の放送が流され、なかなか確定する気配が無い。位置的にはスイグンも対象になっていそうだったが、スタンドから見た感じブラウンブルドンが勝手にけつまづいたように見えたので、そのまま確定だろうと思っていたのだが･･･。 不意に着順掲示板の数字が消えた。で、場内放送。「審議の結果、第２位で入線したスイグン号を失格と判定･･･」これには唖然。繰り上がりでミルフィーユマリモが２着で確定した。ミルフィーユマリモはあまり人気していなかったようで、それなりの高配当が場内ビジョンに映し出された。 その後場内で放映されたパトロールビデオでは、確かにスイグンが３コーナーで外に動き、ブラウンブルドンがおもいっきり吹っ飛ばされる姿が映っていた。スイグンの動きに対して、あまりにもブラウンブルドンが吹っ飛びすぎているようにも見えたが、ともかくあれだけ派手に飛ばれては失格も致し方なしと諦めるしかない。ただ、サンクリントに捲り切らせず、最後２着に粘りこんだ実力は大きく評価できるだろうし、この鬱憤を秋に晴らしてほしいと願うばかりである。 勝ったサンクリントに関しては文句なしである。スイグンを捻じ伏せる強いレース、全国交流の優勝馬として恥ずかしくない馬なのは間違いない。２年前にガバナマイウェーが何故か勝ってしまったときは、「なんでだろ〜」とすっきりしなかったが、今回は強い馬が強い競馬で強く勝ってくれて、とてもすっきりした気分である。もっとも馬券は取れなかったのであるが（笑） ２着になったミルフィーユマリモは、本当によくがんばったと思う。あの細い体でバテもせず、最後よく伸びたのには驚かされた。素直で落ち着きがある性格が上手く道中のスタミナ温存を図る助けとなり、そして他馬に対する激しい闘争心が最後の伸びに繋がったのかなと思う。２歳の時にも思った事だが本当に牡馬顔負けの走りを見せてくれる馬だ。この馬も先が楽しみだ。 結果繰り上がり３着となったヤマノユーノス、やはりレースまでに落ち着きを欠いていたのが多少なりとも影響したのだろうか。道中はまずまず折り合っていたように思うのだが。ちなみに、レース前「ユーノスが楠賞で届かずの３着。ヤマノユーノスも追い込んで同じような結果になるんじゃ･･･」などと話していたが、結局父と同じ３着という結果。もっとも「惜しい！」と思わせた父の３着とは全く異なり、運良く３着に残れたという感じなのだが。 私が密かに期待していた金沢のシルバーブレットは離されて、繰り上がり５着。終始後方で道中の印象が残っていない。やはり多少買いかぶりすぎていたのか。それとも１３キロ減が響いたのか、多分両方だろう(^^；  （口取り後。ファンに配慮して、馬を向けて下さいました。） アクシデントもあったが、今年の楠賞も全国交流らしい見ごたえのあるレースだった。と同時に、秋の「全日本アラブグランプリ」への楽しみを大きくしてくれる戦いでもあった。福山筆頭ユノエージェントとサンクリントの対決、そしてサンクリントを苦しめたスイグンの逆襲。牝馬ながらミルフィーユマリモも侮れない。勝った馬、負けた馬、それぞれに秋へ向けての新たな戦いが待っている。 ･･･自分で書いといてなんだが、少年誌の打ち切りみたいな終わり方だな（爆） 成績表 １ サンクリント 兵 庫 牡 3 55.0 田中学 西村守 513 2:41:6 ２ ミルフィーユマリモ 上 山 牝 3 53.0 関本淳 五十智 414 2:42:0 ２1/2 ３ ヤマノユーノス 笠 松 牡 3 55.0 東川公 今井孝 470 2:42:1 クビ ４ ビミョウ 兵 庫 牡 3 55.0 平松徳 田中道 451 2:42:6 ３ ５ シルバーブレット 金 沢 牡 3 55.0 蔵重浩 岩切敏 470 2:44:1 ９ ---------------------------------------------------------------------------------------- ６ クールフォーチュン 兵 庫 牡 3 55.0 岩田康 中野明 421 2:44:3 １1/4 ７ ミハラエンペラー 兵 庫 牡 3 55.0 坂本和 謝良文 503 2:44:7 ２1/2 ８ シルクダイオー 兵 庫 牡 3 55.0 米田幸 前田高 440 2:45:0 ２ ９ ニホンカイブルー 兵 庫 牡 3 55.0 小牧太 釣利雄 457 2:45:1 1/2 10 キジョージャンボ 愛 知 牡 3 55.0 丸野勝 井上正 499 2:45:4 １1/2 スイグン 福 山 牡 3 55.0 片桐正 千同武 487 失格 ブラウンブルドン 愛 知 牡 3 55.0 宇都英 国光徹 493 中止 |